コミットメントと一貫性
「コミットメントと一貫性」という社会心理学の法則がある。
これは、人間は一度、ある態度をとると、一貫性を保ちたがるというものです。
とくに大人は、自分が一度示した態度や発言に対して、その一貫性を保とうとする傾向が強いと言うことなんです。
詐欺師の手法として、最初に好条件を示して相手からYESを引き出し、あとから悪い条件を付け足していくというものがあります。
これも一度YESと言ってしまうと、それを「くつがえしにくくなる」というこの心理法則を応用したものなんです。
この法則により、一度高い評価を与えた部下には、高い評価を与え続ける傾向が強くなることになります。高い評価を与えた部下にすぐ低い評価を与えるのは、一貫性に欠ける行為となるからです。
だから、少々のことは目をつぶってくれるだろうし、フォローしたり、チャンスを与えようとします。
とくに人前で上司が誉めたりすると、「人前で誉めた」と「部下を高く評価した」という2重のコミットメントがかかっているということになります。
もちろん、逆もありえます。
最初の低い評価をくつがえすのは大変であるということになりますよね。
ということは、「最初が肝心」ということになります。
例えば、新規のお客様に低い評価を受けてしまうと、その気持ちを変えるのは至難の業と言えます。
住宅展示場などで新規のお客を集める場合は、特に注意が必要です。
住宅は良くても、「案内する人が気が利かない」とか「やる気がない」とか「態度が横柄だ」なんてことがあったら大変です。
友達にも口コミが進むでしょうね。
しかし、それを活用するならば、力を入れるべきポイントがわかりますよね。
「コミットメントと一貫性」という法則は、うまく活用してくださいね。